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股から破れたデニムパンツ(夏前にできる簡単な対策の話)

破れを補修したデニムパンツの修理部分

デニムパンツのお直しのご依頼を受けることもあるのですが、デニムパンツは大体股か、膝が多いですよね。

意外と股も多くて「縫製が弱かったんじゃないの?」とか「もっと頑丈に縫ってあれば破れないのに」と思うこともあるかと思いますが、実際はちょっと違ったりします。

服の構造を考えてみると、股はとにかく「摩擦」と「引っ張る力」の両方を繰り返し受け続ける、特に負荷が集中しやすい場所です。歩けば左右の生地が擦れ合いますし、座ったりしゃがんだりするたびに、お尻から太ももにかけて強い引っ張る力がかかります。

破れた瞬間だけを見ると突然壊れたように感じますが、実際には目に見えないレベルで繊維が少しずつ擦り切れて、徐々に生地が薄くなっていき、そしてある日、限界を超えたところでピリッと穴が開いてしまう。

「糸が切れたから破れた」と思っちゃいそうですが、実際には縫い目のまわりの生地自体が寿命を迎えて、そこから裂けるケースも少なくありません。

どれだけ縫製だけを強くしても、ベースの生地が摩耗してしまえば破れは避けられません。もちろん頑丈に縫われていることは大事ですが、それだけでパンツの寿命が決まるわけではありません。

ヘビーオンスの生地の方がタフなものが多く、ライトオンスの方が早く薄くなりがちですが、厚手のタフな生地でも、毎日同じ場所に摩擦と力が加わり続ければ、いつかは摩耗していきます。股から破れるのは、決して品質が悪いわけではなく、そのパンツが日常の中で一番負荷を受けていたということもあります。

服は消耗品ではありますが、少しでもお気に入りの一着と長く付き合うなら、やっぱり一番いいのは、早め早めの対処。
生地が薄くなってきた段階でちょっとした補修をしてあげるのが一番寿命を延ばせます。

一番良いのはもちろんお直しやさんに出すのが確実なのですが、「そのうち・・・」と思っているうちに後回しにして、そして気づいたら大きくビリッとなってしまった・・・。ということもあるかと思います。(実際私も多々あります笑)

なので、お直しに出すのを後回しにするくらいであれば、自分でできる対処法としては、なんとなく触ってみて生地が薄く感じたり、見た目で股部分が薄くなったように感じたり、小さな穴が開いたりした段階であれば、その時点で裏側から100円ショップのアイロン接着補修シートを貼るだけでも、応急処置として有効です。見た目を元通りにするというよりは、これ以上広がらないようにする簡易的な補強ですが、これだけでも持ちが全然違います。

すでに裂けてしまっている場合は、裏から同系色の当て布をして細かくミシンをかけたり、針と糸でしっかり塞いだり。自分でやるのが難しければ、お直し専門店に持って行ってどのイメージで直してほしいか(なるべく目立たないように、とか敢えてステッチを出すとか)相談してみるのが良いと思います。

ただ、股だけでなくお尻や太もも周辺の生地全体が薄くなっている場合は、1箇所を直してもすぐに別の場所が破れてしまうことが多いです。そうなったら、無理に直すよりもいっそパッチワークにするとかが現実的かもしれません。

気に入っていたパンツが履けなくなって泣く前にそこまで面倒ではない作業、履いた日の夜には、ひっくり返して保管、なんとなく裏側をチェック、そして数日休ませて摩擦のダメージを逃がしてあげる、「最近ちょっと生地が薄くなってきたかな」と思ったら履きっぱなしで負荷をかけ続けるより、いっそ定期的に洗ってあげたほうが、生地がギュッと詰まって結果的に長持ちしたりします。

ずっと履き続けていると、汗や皮脂、それに動いたときの引っ張る力で、生地に少しずつダメージを与えていきます。繊維が緩んで隙間ができると、生地全体の強度が落ちて、摩擦にも圧倒的に弱くなってしまうので洗濯をして水分を含ませて乾かすと、生地のゆるみや型崩れがある程度リセットされます。

もちろん洗うこと自体の摩擦もゼロではないですが、それ以上に「履きっぱなしによる繊維の伸び」や「皮脂や汗の蓄積による繊維への負担」のほうがダメージ大きいです。特に汗をかいた日は、放置するよりもすっきり洗って生地をリセットしてあげるほうが、股の破れを防ぐにはおすすめです。

これから夏本番、汗もたくさんかく季節ですが、その前に少しでも参考になれば幸いです😊